アーティストインレジデンスプログラムを開始します。


 ここ富山県高岡市・山町エリアの文化資源のひとつである高岡市土蔵造りのまち資料館は、伝統建築「土蔵造り」の町家として高岡市指定文化財に指定されており、明治時代から現代までの建築技術や建築空間の使われ方、町民文化を知ることができる場となっています。
 明治33年 (1900年) の大火後に建てられたこの町家に遺された技術、当時の美の概念、山町の人々の幅広い文化活動には感嘆するばかりです。一方、私たちの生活様式は変わりつつあり、また異なる文化的背景を持つ人々が訪れるようになる中で、誰でもこの場所と感情を共有できる=つながる方法の必要性を感じました。
 その方法の一つとして、私たちはアーティストインレジデンスという形を選択しました。高岡の内外からアーティストを招き、彼らの観点で捉えた山町という町が彼らの思想や哲学に加わり、アートという形で視覚化され共有されます。それらを通じた多様な出会いが資料館へ訪れた人と資料館との間に感情的なつながりを生み、またその過程がこの場に新たな価値を創造することを願います。

【追記】このプログラムの開催準備を進めている中、令和6年能登半島地震が起こりました。この災害によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして、今この時も被災地で大変な思いをされている皆様に、一分一秒でも早く必要な助けが届き、ほっと安心できる時間がくることを祈っています。
 このような状況でプログラムを続行すべきか悩みましたが、戻ってきた日常が当たり前ではないことに感謝し、私たちが今できることをやることにしました。
予定していたプログラムに加え、参加作家さんたちの協力を得てチャリティー小品の販売を行います。売上金の一部または全額(販売品によって異なります)を被災地へ寄付いたします。寄付金はできるだけ必要とされているところへ確実に届けたいので、私たちが普段からつながりのある、能登で活動をされている方々に相談して寄付先を決めたいと思います。
 また、開催には安全を優先しますので、今後の状況によっては開催を断念する可能性もありますので、予めご了承ください。

高岡市指定有形文化財

高岡市土蔵造りのまち資料館

資料館として一般に公開している旧室崎家は、綿糸や綿布の卸売業を営んでいた商家です。土蔵造りの特徴をよく留めているため歴史的価値が高い町家です。
通り土間が改造されることなく残されており、主屋全体、中庭、また大火の被害に遭わず、主屋よりも古い時代に建てられた土蔵も見学できます。

Artists 参加作家

(ブレーメンの)音楽隊
270×190×110cm ダンボールに木工用ボンド、アクリル絵の具
2023

グアリノ アキ Aki Guarino

富山県魚津市生まれ。
フランスの美術学校でアートを学び、ヨーロッパでの創作活動を経て、2019年より富山県で活動中。
2021年よりダンボールの立体造形で、童話をモチーフに、概念と観念に問いかける作品を展開。

Spielraum 09/ Excesses or deficiencies, spatial distortions
65×68×8㎝ oil on canvas
2021

大西 由莉 Yuri Onishi

愛知県生まれ。
2008年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了。
キャンバス地に空間を空けることで実際に空間上に存在し自由に往きかう原子、素粒子などの物質、光の反射などの現象を絵画に取り込む作品を造る。

Invisible Friends,
wood. color. etc.
2023

翁 素曼 Suman Weng

中国広東省生まれ。
2022年に東京造形大学修士課程を修了し、博士課程に進学。
主に木を素材として、下絵を作らずに素材と直接向き合い、人物や動物をモチーフとした作品を制作しています。現在は日本と台湾を中心に活動中。

2023

志村 文也 Fumiya Shimura

東京都町田市生まれ。
富山大学芸術文化学部芸術文化学科建築コース3年生。
メディア芸術を中心に学びながら、インタラクティブアートやインスタレーションに取り組み、独自の表現方法を模索する。

Schedule スケジュール

2024.1.13(土) 〜 21(日)


公開制作: 2024.1.13(土) 〜 19(金) ※2024.1.16(火)は休館日です。制作を見学できるほか、資料館内の様々な場所で各参加作家の作品展示もご鑑賞いただけます。
作品展示: 2024.1.20(土) 〜 21(日) 滞在中に制作した作品を加えて展示します。
【開館時間】9:00〜16:30

Events イベント

2024.1.13(土) 11:00〜

アーティスト紹介、構想プレゼンテーション

どんな参加作家さんが高岡へやって来たのかをご紹介する場となります。
また作家さんからは、滞在中にどんな制作をしていくか等の構想を発表していただきます。ぜひ作家さんたちに会いに来てください!

2024.1.20(土) 11:00〜

アーティストトーク

作家さんが自ら作品の解説をします。直接制作の話を聞きながら作品を鑑賞いただける機会となりますので、ぜひご参加ください。
また20日、21日は「山町筋 天神様まつり」も開催されます。当館でも天神様の展示を行います。

2024.1.13(土) 〜 21(日)
令和6年能登半島地震災害チャリティー

「ウロコモン」
マスキングテープでシールをつくろう【無料】

土蔵造りのまちで、江戸時代から明治時代にかけて用いられた火消しの道具「竜吐水」。木製の大きな水鉄砲で、竜が水を吐く様に見えたことから、竜吐水と呼ばれました。
そんな建物を守る竜を縁起の良い「昇り竜」としてグアリノ・アキさんが制作します。陽の気が動いて万物が振動するので、活力旺盛になって大きく成長し、形が整う年と言われている辰年の新年は、まさに万物が振動する瞬間を体感しました。天に昇る竜に、聖域を守る結界としての役目がある三角形、「無病息災」「魔除け・厄除け」の鱗紋(うろこもん)を各々の想いを込めて貼り合わせることで、創り上げる作品です。 参加型アートとして、お好きな色の三角形のマスキングテープに願いを込めて、ご自由に竜の背中に貼ってください。 また、竜という神話の生き物を思い思いの形で描いたシールを壁面に貼ってみましょう。
◯チャリティー募金箱を設置します。

2024.1.20(土) 10:00〜15:00
令和6年能登半島地震災害チャリティー

Workshop for KIDS「走る新幹線」【有料】

北陸新幹線ももうすぐ福井まで走ります!
牛乳パックとペットボトルのキャップを使って新幹線をつくりませんか?
時速3kmくらいでのんびり走る新幹線です。
大人もこどもも、みんなでわいわい作って走らせましょう!
参加費は全額、能登半島地震の被災地へ寄付します。
【参加費:500円】

Admission fee 観覧料

高岡市土蔵造りのまち資料館の入館料を頂戴いたします。
-高校生以上: 300円
-20人以上の団体または65歳以上の高齢者: 240円
-中学生以下(小学生・中学生・特別支援学校の児童・生徒): 無料
※身体障がい者、精神障がい者保健福祉、療育など各種手帳をお持ちの方、および付き添いの方(1名)は無料です。

2024.1.20(土) 〜 21(日) は、山町筋「天神様祭り」が開催されるため、無料開放致します。

主催/株式会社はんぶんこ